参加者が続々と集まってきた。中にはアルビレックスのユニフォームを着た子どもや保護者もいる。谷口海斗選手の到着を待つ間、亀田郷の歩みを、新潟県新潟地域振興局農林振興部の近藤専門員が説明してくれた。
亀田郷とは信濃川、阿賀野川、そして阿賀野川の支流である小阿賀野川に囲まれた地域のこと。「緑豊かな田園ですが、近年まで『泥田農業』が行われていたこと、知っていましたか?」
泥田農業?
「稲刈りも田植えも、腰まで水に浸かってやっていたんです」
亀田郷は1万1000ha。その半分以上が海や川の水面より低い土地で、かつては湿地帯に葦(あし)が生えていることから「芦沼」「地図にない湖」と呼ばれていたという。